世界観

7日のタイムリミット

人々が死んだ後の魂は、現世に7日しか留まらない。
7日後、普通の霊鬼は消え、一部の霊鬼は悪霊に化けて人間界で徘徊し、災禍を起こす。 その悪霊を消すのが祭司の仕事であり、祭司の頂点に立つのが陽冥司である。

陽冥司

陽冥司は古くから端木家という一族の者が担当している。
端木家はいくつかの大家族に支えられており、その中の魂師家族 ―司徒家を縁付けの相手として最も優先しているのであった。

陽冥司は端木家の家元であり、祭司を務める。
祭司は毎年決めった時間に祭儀を行い、自分の命を削って天地を供養することによって天脈地流のバランスを保ち、世間の万霊を落ち着かせる。これによって国の安泰が守られ、物事も順調に進んで行く。

端木家で陽冥司の伴侶を選ぶ時の基準は極めてシンプルで
—「燃陽」の体質を持つ人。
この体質を持ってる人間は陽冥司が気絶で倒れた時に命を助けることができるのである。
しかし、燃陽体質の人間はかなり希少なため、燃陽が見つからない時に最も優先される縁付けの相手は前出の通り司徒家である。

陽冥司の力はとても強く、世間で最も強い霊能力者であるが故、霊鬼達から狙われている。
陽冥司を喰うことによって自分もさらに強くなるため、陽冥司はいつも食われる危険の中にあるのであった。
陽冥司の生辰と干支は極秘であり、もし知られてしまったらそれを利用し陽冥司に危険を及ぼす法術を加えられ、霊鬼達も簡単に侵入できる様になってしまう。

影霊

陽冥司は死んだばかりの霊鬼と契約し、影霊として自身の守護霊とする。
影霊になった霊鬼は七日間のタイムリミットが過ぎても普通の姿で現生に存在でき、悪霊にはならない。 陽冥司は生きている人間には手を出せないので、できることは限られているが、影霊は陽冥司の右腕となり、代わりに陽冥司ができないことを行う。

影霊の契約は「一方的」と「合意的」の二種類ある。

合意的にお互いが契約を交わした陽冥司と影霊は命を分かち合い、一人が何かあったとしたらもう一人も影響を受ける。 しかし一方的な契約はそれとは違い、影霊が傷ついたり死んだりしても陽冥司に影響は与えない。 が、陽冥司がなくなったら影霊は存在できなくなる。

「認契儀式」は影霊と契約を結ぶのに重要な儀式である。
認契儀式の前に交わした契約は、ただの誓い言葉を交わしたのにすぎない。 認契儀式を行わない限り、両方の契約は成立とは言えないのである。
契約が成立したら、影霊と陽冥司は心が通じ合い、テレパシーで交流することができ、影霊の能力も高く上昇する。 陽冥司と影霊は契約を交わす時に必ず生辰と干支を交換しなければならないが故、陽冥司と影霊はお互い命を預けた関係でもある。